規制退場に思うこと。
全校集会、搭乗手続き、初売り。
人が移動するとき、その動線が詰まらないように。もっと言えば詰まって誰かがつぶれてしまわないように、私たちは移動を制限されることがあります。
2024年2月18日の東京ドームでも同じことが起こりました。
オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム
会場チケットには19万の応募が殺到し、ライブビューイング・生配信までセットされた、日本のラジオ史(なんてあるのか知りませんが)に残る大イベントです。歴史的な大イベントに向かうオードリーの2人を追ったyoutubeチャンネルや、週ごとにボルテージが増していく通常回、連日のチケット当落のツイートなど、大きなうねりを起こした出来事です。
私は、リトルトゥースではありませんでした。
ラジオは大好きですが、聴くのはJ-WAVEやTOKYO FMばかりで、時々バナナマン、時々サンドリ、そして時々オードリー、そんな程度です。飲み仲間が奇跡的にゲットしたチケットがそんな自分の手に渡り、この祭典に溶ける権利を得ました。
あの空間がどれだけ笑いと愛に包まれていたかは、数多くのリトルトゥース達が発信しています。
誰もが翌週のANNを心待ちにした、東京ドームからの帰り道。言葉を交わすことはなくても、不思議な一体感がそこにはありました。同じものが好き同士集まったときの、なんともいえないあの雰囲気。だからライブってやめられないですよね。言わずもがな、リトルトゥースひとりの完成です。
天邪鬼な私は本編ではなく、もう少し後の出来事について考えてみました。
大きなイベントの終演後、「規制退場」ってありますよね。
・案内があるまで席を立たずにお待ちください
・順番に呼び出しますね。スタンド席Aブロックの1ゾーンから5ゾーンまでの皆さん~~
・続きましてスタンド席Bブロックの~~
・(Cが呼ばれると思いきや)続きましてアリーナ席Hブロックの~
と続く退場方法です。錯覚かもしれませんが、ここ5年くらいのイベントで増えたような気がします。
コロナ禍の密回避で定着したのでしょうか。詳しい方どなたか教えてください。
規制退場のアナウンスが流れると、人は大きく3種類に分かれていることがわかりました。
①自席で待つ人
②申し訳なさそうに退場する人
③アナウンスを堂々と無視して退場する人
1種類ずつ考察してみます。
①自席で待つ人
まともなパターンですね。特に説明はいりません。
公演を反芻し、噛みしめ、深呼吸し、時々目を閉じて記憶が漏れないようにする時間。
私はこの時間は極上の贅沢だと思っています。友達と一緒にいても、しばらくは一人で自分の世界に籠もって、自らの幸せさを祝福しています。映画館で作品を見終わった瞬間の空気に似ています。
②申し訳なさそうに退場する人
トイレに行きたいのか、終電が無くなってしまうのか、小さい子どもがお腹を空かせて家で待っているのか。
肩をすぼめて体を小さくして、「何無視してんだよ」という目線が怖いから下を向きながらそそくさと退場する人たちです。この人たちが一番人間臭くて、見ていて安心するように思われます。
楽がしたいけど、楽をしているとは思われたくない。誰もが自分の心に秘めている姿が、殻を破って出てくる現象です。私はイベントスタッフのアルバイトで規制退場の係員になったことがあり、派手めのご夫妻から
「子どもが家で待っているんです。早く帰ってあげたいので、通してください。」
と頼まれたことがあります。バイトのガイドライン上、【イレギュラーはすべて付近のリーダーに即共有すること】が必要でしたので、指示通りにリーダーさんに引き継ぎました。どう扱われたかは、覚えていません。
「子どもが家で待っているなら、ポルノのライブ来ちゃダメでしょ。」としか当時は思えませんでしたが、
今はもう少し想像ができます。 もしかしたらその子どもは生まれたときから身体が弱く、ご夫妻は趣味を放り投げて育児に専念。壮絶な日々を重ね徐々に子どもも大きくなり、そのご褒美のように大好きなバンドのライブに参戦。でも終演後にはすぐ子どもを思い出す、そんなよきパパママなのかもしれません。
③アナウンスを堂々と無視して退場する人
メンタル強い。
攻撃的な視線を送られることもあるでしょうに。係員に舌打ちされることもあるでしょうに。
規制退場に思うこと
正直者がバカを見る事態は減るべきだと思っています。
規制退場中に主役から声かけがあったり、、?
新曲が聞けたり?
裏話が聞けたり?
ただルールを守らせるために必要なことがあるのが残念でなりませんが、
こんな取り組みはあっても面白いんじゃないでしょうか。
結果、この「オマケ」欲しさに誰も退場しなくなったら元も子もないんですけどね。
そういえば、入場の列はしっかり作れるのに退場の順番は守れないなんて、なんだか不思議ですね。
それでは。
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